「産経前支局長の起訴」に世界がボー然「共産党独裁を捨てないとダメなのか」韓国・中国よそれじゃノーベル賞なんて無理だ

「産経前支局長の起訴」に世界がボー然「共産党独裁を捨てないとダメなのか」韓国・中国よそれじゃノーベル賞なんて無理だ
2014年10月22日(水) 週刊現代
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「産経弾圧事件」によって、韓国は国際社会から非民主国家の烙印を押された
「中国の夢」を唱えていながら、「科学より共産党への忠誠」を強要する習近平主席


まともな文明国なの?

「いまは何も言うことはないです……。状況が変わりましたらまた、お世話になることがあるかもしれませんが、その時はよろしくお願いします」

10月8日夜、ソウル中央地検は、加藤達也『産経新聞』前ソウル支局長を名誉毀損罪で在宅起訴すると、前代未聞の発表をし、世界に衝撃が走った。

冒頭のコメントは、その直後に本誌がソウルの加藤氏に聞いたものである。加藤氏は、予想外の厳しい発表に戸惑いを隠せない様子だったが、めげることはなかった。

加藤氏は8月3日に、「朴槿恵大統領が旅客船沈没当日、行方不明に……誰と会っていた?」と題した記事を、インターネット版に掲載した。その多くが『朝鮮日報』のコラムからの引用で、元大統領秘書の鄭允会氏と密会していたという噂について報じたものだ。ところがこの記事に激怒した「青瓦台」(韓国大統領府)が、ソウル中央地検を突き上げて、加藤氏を在宅起訴してしまったのである。

大手紙のソウル支局長経験者が、呆れ顔で語る。

「今回の前代未聞の措置には驚いています。略式起訴や起訴保留、起訴猶予のいずれかと思っていました。まともな文明国なら、ここまではやらないでしょう」

菅官房長官や岸田外相が韓国に対する抗議のコメントを出すなど、「産経問題」は、にわかに日韓の国際問題に浮上してきた。

その韓国だが、10月6日に先頭を切って発表されたノーベル医学生理学賞で、「受賞確実」と韓国国内で期待されていた李ジャンチョル・米ジャクソン研究所ゲノム医学研究所長が受賞を逃し、衝撃が走った。

だがその翌日、日本人が物理学賞を受賞したことで、再度衝撃が走ったという。在ソウル・ジャーナリスト金哲氏が解説する。

「韓国では、『国家の頭脳』と言われた黄禹錫ソウル大教授の胚性幹(ES)細胞捏造事件が、’05年に一大スキャンダルとなり、『韓国科学界の進歩を10年遅らせた』と言われました。今年に入って、日本でも同様の『小保方STAP細胞事件』が起こったことで、『これで日本の科学も10年遅れる』と、ひそかにほくそ笑んでいたのです。

ところが日本は、また今年も3人もの科学者が受賞してしまった。金大中元大統領のノーベル平和賞しか受賞者がいない韓国では、日本に対する嫉妬が渦巻いています」

9日の韓国各紙は、中村修二教授が会見で述べた「日本批判」を大きく取り上げた。『文化日報』は「ノーベル賞中村『ジャパニーズ・ドリーム』はない」との見出しで、こう報じた。

〈中村教授は7日に開いた受賞会見で、「アメリカにはチャレンジ精神があって、それを評価してくれるが、日本にはもろもろの束縛があって自由がない」と批判した。続いて、「日本にはベンチャーを育成するシステムがほとんどなく、研究者はサラリーマンにすぎない」と述べた。

中村教授は、2000年にアメリカ国籍を取得し、アメリカン・ドリームについて言及した後、「ジャパニーズ・ドリームは存在しない」と断言した。困難な研究を継続できた動機について問われると、「憤怒以外には何もない」とまで語った〉

要は、悔しさ余って、日本はいかにヒドい国かを強調。はては「賄賂を贈って賞を取った」などと韓国のネット上で論じられる始末だ。いくら中村教授が日本の研究環境を批判しようが、中村氏が日本で行ってきた研究が評価されてノーベル賞を受賞したことに変わりはない。

結局、日本批判で憂さ晴らし

ところで、嫉妬心が渦巻いているのは、中国も同様だという。

「10月7日の物理学賞の発表の日は、白春礼院長以下、ストックホルムからの〝吉報〟を、固唾を呑んで待っていました。ところが届いたのは、〝落選〟の報。しかも、ライバル視している日本人が3人も受賞と聞いて、目が点になりました」

こう証言するのは、中国科学院の幹部科学者だ。

中国は、習近平主席自らが発破をかけて、「チャイニーズ・ドリームを実現する科学立国」を目指している。この科学者が続ける。

「中国13億の中から理系の天才たち5万人余りを、国務院(中央政府)傘下の中国科学院に結集させて、悲願の『ノーベル賞初受賞』を目指して、日夜研究に励んでいるのです。今年は、ノーベル賞予測で名高いトムソン・ロイターが発表した論文引用ランキングで、134人もの中国人科学者が選ばれました。この数は、アメリカ、イギリス、ドイツに次ぐ4位です。中でもわが中国科学院は、46人もがランクインしていて、『今年こそは』と期待がかかっていたのです」

中国人でこれまでノーベル賞を受賞したのは、2000年の高行健(文学賞)、’10年の劉暁波(平和賞)、’12年の莫言(文学賞)の3人しかいない。しかも高行健は「中国には表現の自由がない」と言って、フランスに帰化してしまった。また、劉暁波の受賞理由は「中国の民主化運動」で、本人は長年にわたって獄中生活を送っており、授賞式への出国も認められなかった。

中国共産党機関紙『人民日報』(9日付)も韓国紙同様、「日系の受賞者が日本の研究環境の劣悪さを批判」との見出しだった。

〈中村は、「日本の研究者は不自由な社業にいそしむだけで、すばらしい研究成果を得てもわずかなボーナスをもらうだけだ」と嘲笑気味に述べた。他にも「日本には性差別と年功序列のせいで機会が平等でない」「携帯電話がその好例だが、最初はよくても直に失敗するということが多い」などと日本を批判した……〉

同じく中国科学院の中堅の物理学者が、中国の研究現場の内情を明かす。

「中国の学術界では『部下の功績はすべて教授のもの』という言葉があるくらい、教授の力が絶対です。それなのに教授になるには、優れた研究業績よりも、共産党に媚びを売ることのほうが大事なのです。それがないと研究費もロクにもらえない。だから教授たちは、研究よりも政治活動や権力闘争に明け暮れています。

そんな状況を見て、若い研究者たちは、優秀な人材ほど愛想を尽かしてアメリカへ渡ってしまうから、二流三流の研究者しか国内には残らない。おそらく10年経っても20年経っても、中国国内の科学者はノーベル賞を取れないでしょう」

つまりは、共産党独裁を捨てないとダメだということだ。

習近平主席も朴槿恵大統領も、それぞれ「中国の夢」「21世紀の漢江の奇跡」を国家目標にしている。日本を批判するよりも、国家の品格を磨くことのほうが先決ではないのか。

「週刊現代」2014年10月25日号より

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