記憶風化に危機感 世田谷一家殺害 30日で14年

記憶風化に危機感 世田谷一家殺害 30日で14年

鬼室黎、小野大輔2014年12月29日07時26分

 東京都世田谷区で会社員宮澤みきおさん(当時44)の一家4人が殺害された事件は、30日に発生から14年を迎える。人々の記憶、関心が薄れ、最近は情報提供も低調だ。捜査員は風化に危機感を募らせる。

 この1年、成城署捜査本部に寄せられた情報は25日までに222件。最も少なかった昨年の203件をわずかに上回るが、事件翌年の2001年に寄せられた5758件の3・9%だ。

 14年は重い。「話を聞く相手から『思い出せない』と謝られることが増えた」。05年から担当する捜査1課警視の野間俊一郎さん(53)は言う。一方で「知人が手に包帯を巻いていたのがずっと気になっていた」など、時が経ったからこそ得られる情報もある。

 だが今年、「175センチ前後」から「170センチ前後」に身長を見直すなど、犯人像はなお定まらない。宮澤さんの父良行さんは12年9月に84歳で死去。母節子さんも83歳で、高齢だ。

 数年前には、現場近くで「事件○周年おめでとう!」と書いたビラが貼られるいたずらがあった。「遺族の方々には申し訳ない気持ちでいっぱいになった」と野間さんは言う。

 警察庁によると、10年4月の時効撤廃以降、発生から15年以上たって容疑者を逮捕できた殺人事件は、全国で1件しかない。

 世田谷事件にはDNA型や指紋など、容疑者特定につながる強力な物証がそろう。野間さんは「やれることはすべてやって結果を出したい」と語った。

■遺留品10点 同型品を撮影

 世田谷一家殺害事件で、警視庁は今月、犯人が現場に残したとみられる全10点の証拠について、朝日新聞社の求めに応じ同型品の撮影を認めた。遺留品の多さは事件の特徴だ。風化が進むなかで、警視庁は情報提供につなげたいという。

 数ある遺留品のうち、捜査本部が注目してきたのがトレーナーとヒップバッグだ。トレーナーは、袖の色が身頃と異なるデザイン。同色・同サイズは全国で130着しか流通していない。東京都内では10着が売られたが、クレジット決済された1着を除く9着は購入者がわかっていない。

 ヒップバッグは韓国製。国内で2850個が販売された。胴回りは70~75センチ程度に調整され、犯人はやせ形だった可能性が高いという。バッグの中で見つかった1600粒の土砂や鉱物は、成分や混合比率などから米国のものとみられる。

 刃物は、「関孫六(せきまごろく)」の柳刃包丁で刃渡り約20センチ。スニーカーの靴跡は「スラセンジャー」ブランドの韓国製でサイズは27・5センチ。ハンカチには香水「ドラッカーノワール」の成分が付着していた。一方、マフラーは遺留品の中で唯一、製造元や販売先が不明のままだ。

 情報は成城署捜査本部(03・3482・0110)へ。(鬼室黎、小野大輔)

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