米国の利上げに先制的な対応を=韓国

【中央時評】米国の利上げに先制的な対応を=韓国
2015年09月04日14時25分
[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版] comment102hatena0
9月17日に予定された米連邦準備制度理事会(FRB)の金利決定を控え、世界経済が緊張している。今回は利上げするべきだという見解と0%水準の現行の超低金利を維持するべきだという見解が対立している。市場専門家は7対3程度で現金利が維持されると予想している。

2008年9月に米投資銀行リーマンブラザーズが破産し、金融危機が本格的に始まった。FRBは同年12月、金利を0%に引き下げ、できる限り低金利で資金を供給して金融市場を安定させ、実物経済の回復を助けた。利下げだけでは金融危機が落ち着かないため、住宅抵当証券を金融機関から買い取り、長期国債を大量に購入する量的緩和政策を実施した。債券の買い取りは昨年終わり、今はゼロ金利の正常化がカギだ。

利上げするべきだという主張の最初の根拠は米国経済の迅速な回復だ。4-6月期の経済成長率は年率3.7%で、今年と来年の経済成長率が3%を超えると予想している。最近、FRBのスタンレー・フィッシャー副議長は主要指標の消費者物価上昇率が目標値の2%より低くても利上げする可能性があると述べた。景気回復傾向が速いため政策効果が発生するのにかかる時差を考慮し、あらかじめ金利を上げて物価上昇に対応するということだ。低金利があまりにも長期間続き、民間が負債を増やし、リスクが高い資産に投資し、資産価格バブルに対する懸念が強まったのも利上げの背景だ。

反対論者はまだ米国経済の回復傾向が確実でないと主張する。利上げが内需を冷え込ませ、ドル高で輸出にもマイナスの影響を及ぼすことを懸念している。中国の景気低迷で原油安が続き、物価は大きく上がらないと予想している。しかも米国と世界金融市場が不安定な状態で米国の利上げは性急であり、危機を自ら招くと警告している。

しかし世界金融市場の不安は今のところ米FRBの政策方向を変えるほどでないと見れば、今回の9月ではなくても今年12月にはFRBが利上げする可能性が高い。

韓国のような新興国経済の立場では米国の利上げはすでに予想されたものであり、どう対応するかが重要だ。今年と来年、FRBは利上げの幅と速度に慎重な姿勢を見せるだろうが、世界金融市場は大きく揺れる可能性がある。その間、米国だけでなく欧州・日本からも量的緩和で供給された資金が高収益を得るために新興国に大量流入したが、すでにこれが流出し始めた。資本の流出で金融・外国為替市場の変動が大きくなり、資産価格も下落する。国際金利が上がり、ドル高になれば、ドル負債が多い企業、金融機関、政府の償還負担は増える。

  国際通貨基金(IMF)は4月のアジア・太平洋経済展望報告書で、基礎経済条件、グローバル市場との貿易および金融連係性などを考慮し、アジア諸国が米国の利上げと国際金融市場の変動にどれほど衝撃を受けるかを分析した。韓国は最も衝撃が小さい国と予想されている。幸いだが、韓国経済は家計の負債と企業の外貨負債が多いという点で脆弱であり、もう一つの危険の根源地である中国経済から波及効果を大きく受けるため二重苦となる可能性が高い。米国と中国の通貨政策が反対方向に動き始めれば対応は容易でない。通貨・為替・財政政策が調和するよう運用し、政策対応力を高める必要がある。家計の負債管理、不振企業の構造改革、金融システムの安定を図り、これから金利が上昇する時に発生する衝撃を最小化しなければいけない。 
  6月の韓国銀行(韓銀)創立記念国際会議は「グローバル金利正常化と通貨政策の課題」という時宜にかなったテーマをめぐり、さまざまな議論があった。李柱烈(イ・ジュヨル)韓銀総裁は経済の基礎条件強化、マクロ健全性政策を通じた金融リスク管理とともに、通貨スワップなどグローバル安全装置を拡大するための国家間協力が重要だと述べた。中央銀行が約定した為替レートで該当通貨を一定時点に相互交換する通貨スワップは危機の時に大きく役立つ。韓国は中国をはじめとする多くの国と通貨スワップをしているが、2008年危機当時に重要な役割をした米FRB、日銀との通貨スワップはもうしていない。外貨準備高が多く短期外債が少ないためリスクは少ないというが、もし必要になった場合に国際決済通貨を持つ米国・日本・欧州の中央銀行と通貨スワップができるようあらかじめ準備しなければならないだろう。 
  米国の非正常的な通貨政策が正常化するのは米国経済が良くなることを反映し、プラスのニュースでもある。しかし前例のないことが始まり、不確実とリスクが高まっている。先制的にうまく対応し、韓国経済に及ぼすマイナスの波及効果を最小化する必要がある。 
  イ・ジョンファ高麗大経済学科教授/元アジア開発銀行首席エコノミスト 

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