[特派員コラム] 12・28合意と決別しよう

[特派員コラム] 12・28合意と決別しよう

 今月3日、日本の衆議院予算委員会。香川県出身の小川淳也議員(民進党)が質問台に立ったのは、午前11時を少し過ぎた時刻だった。ぼんやりとNHK中継を見ていた私は、反射的にレコーダーを取り出した。「慰安婦問題に関する日韓合意以降、韓国政府が安倍首相からのお詫びの手紙を求めているようだが、この件についてどう考えるか」
 安倍晋三日本首相の答えは短い3つの文で成り立っていた。

 第一文、「合意した内容を両国が誠実に実行していくことが求められている」。これは、日本政府が数百回も繰り返してきた公式立場であり、驚くべき内容ではない。

 第2文、「小川議員が指摘したのは、(合意)内容の外である」。この発言で、安倍首相が韓国が「期待する」と明らかにした「お詫びの手紙」などの追加措置に応じる意思がないことが明らかとなった。当初からあまり期待しなかっただけに、失望することもなかった。

 問題は、最後の文だった。「私たちは○○考えていない」。3年間日本で様々な経験を積んできたと思っていたが、この文章の副詞が何を意味するのか、見当もつかなかった。録音内容を繰り返して聞いても分からず、在日同胞の知人と日本の記者に録音したファイルを送信して鑑定を求めた。

 彼らの返信に書かれていた副詞は「毛頭」という言葉だった。国会答弁という公の場で、そのような挑発的な表現が使われるとは夢にも思わなかった。慰安婦被害ハルモニ(おばあさん)たちに伝える「お詫びの手紙」を要求する韓国の要請に対し、それを受け入れる考えが「微塵もない」と答えたようなものだからだ。堪えきれない怒りとこの上ない無力感に襲われた。「河野談話」(1993)の主人公である河野洋平元官房長官が4日、日本の放送で指摘したように、安倍首相の「人間性の問題かな」と思う。

 昨年の12・28合意以降、韓日の市民社会ではこの合意をどのように受け止めるかを巡り二つの立場が対立してきた。一つは、合意を無効にし、原点に戻って再交渉を行わなければならないという「白紙撤回論」であり、もう一つは、首相のお詫びの手紙など補完的な手段を通じて合意の足りない部分を埋めようという「補完論」であった。白紙撤回論は韓国をめぐる厳しい外交の現実からして、選択肢になり得ないし、補完論は安倍首相の今回の「毛頭」発言で破綻を迎えたことが明らかになった。

 これからどうすべきか。第3の道を提案してみる。名付けて「合意固辞論」である。

 韓国政府は、日本側に傾いた12・28合意という不利な戦場から組織的に退却すべきだ。この合意を何とか正当化しようとする痛ましい努力はやめてほしい。

キル・ユンヒョン東京特派員//ハンギョレ新聞社
 まず、「和解・癒やし財団」は日本政府から受け取った10億円の執行を停止し、状況を静観しなければならない。さらに、日本政府の関心事である少女像の問題について、もう少し原則的な立場を明らかにする必要がある。韓国は過去の合意で「少女像について関連団体との協議などを通じて、適切に解決されるよう努力する」としただけで、移転そのものを約束したことはない。安倍首相の言葉をそのまま返すと、少女像の移転は「(合意)内容の外」である。
 政府は合意で「国際社会において、この問題について互いに批判・非難することは控える」と約束した。この約束は、韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)などの民間団体が女性の普遍的な人権懸案である慰安婦問題を解決しようとする国際的な努力まで拘束するものではない。政府は、民間団体の活動を今よりも積極的に支援する必要がある。慰安婦問題という歴史的な痛みを経験した韓国社会が、最終的に到達すべき目標が12・28合意でないなら、徐々に、しかし明確な方向性を持って、合意と決別していかなければならない。

キル・ユンヒョン東京特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-10-06 17:55
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/764491.html 訳H.J(1708字)

選挙演説で「人権侵害」 民団、救済申し立て

選挙演説で「人権侵害」 民団、救済申し立て
カナロコ by 神奈川新聞 9月22日(木)11時40分配信

人種差別団体「在日特権を許さない市民の会」(在特会)元会長で、今年7月の東京都知事選に立候補した桜井誠氏の選挙演説で職員らの人権が侵害されたとして在日本大韓民国民団(民団)は21日、東京法務局に救済の申し立てを行った。選挙活動におけるヘイトスピーチを巡って被害を訴える初のケース。

申立書によると、桜井氏は選挙期間中の7月15日、東京都港区の民団中央本部前で選挙カーの上などから「この民団、ろくでなし集団」「さっさと日本から出て行け」などと演説。民団は、職員や在日コリアン全体に向けられたいわれなき差別的言動により名誉が毀損(きそん)されたとして救済を訴えている。

具体的には再発防止のための勧告とともに、ヘイトスピーチ解消法の趣旨を踏まえ、選挙活動での差別的言動に対処するよう関係行政機関に促すことを求めている。

民団中央本部の孫(ソン)成吉(ソンギル)生活局長は「『出ていけ』は存在を否定する言動で、われわれにとっては『死ね』と言われているに等しい」と話し、「選挙に名を借りた差別が野放しにされてよいはずがない。選挙は全国各地で行われており、あしき前例にさせないためにも申し立てに踏み切った」としている。

桜井氏は昨年12月、朝鮮大学校(東京都小平市)前で「殺してやるから出てこい」などと脅迫的な言動を行ったとして、東京法務局から同様の行為を二度としないよう勧告されていた。


関連記事>朝鮮大学校「日米を壊滅」

通貨スワップに平昌五輪…”韓国の接近”にどう向き合うべきか?

通貨スワップに平昌五輪…”韓国の接近”にどう向き合うべきか?

デイリーニュースオンライン 2016.02.06 08:00

日韓友好に必要なものとは?
「韓日戦は特殊。勝ったら韓服(伝統衣装)を着て記者会見に臨む」

「慰安婦のおばあさんのために勝ちたい」

「日本は韓国の優勝自販機(注1)」

先日、行われた「U-23アジア選手権」の決勝を目前に控え、上からサッカー五輪代表監督と五輪代表FWが出したコメントと、サッカー協会の公式スローガンである。もちろん日本ではなく、韓国の……。これまでスポーツと政治を混同する数々の不祥事を起こし、FIFA(国際サッカー連盟)から再三、注意を受けているにも関わらず、懲りない人々である。
肝心の試合が、後半だけで3点を入れて日本の大逆転勝利に終わったのは、周知の通り。上記のように試合前から不快感に包まれたが、とりあえず溜飲は下がった。が、もっと心配な事態が進行中なのだ。
まず「日韓通貨スワップ(交換)」再開の動き。外貨不足・通貨危機に陥った方の国が、日本円や米ドルなど信用の高い通貨を融通してもらう二国間協定だけに、韓国の経済危機(注2)救済の色合いが強い。韓国側の強い意向で昨年2月に終了したばかりなのに、
「日本が申し入れてくれば、反対しない」(ユ・イルホ企画財政相)
と上から目線で要求してきた。
そして、さらに深刻なのが2018年開催予定の平昌(ピョンチャン)冬季五輪を巡る騒動だ。以前より降雪量の少なさやインフラの未整備などから、「冬季五輪開催は無理では?」と指摘されていた場所だが……。
「1月末に平昌五輪のアルペンスキー会場で予定された国際大会が、不安を感じたか選手たちの申し込みが少なく、中止に。なんとかFIS(国際スキー連盟)から五輪会場としての承認は得たものの、今度はFISも同席した記者会見場に建設業者が乱入。“工事代金が未払いだ。食事代も貰ってない。金も払ってないのに何が世界の祭りだ!”と激怒したため、いったん会見が中断に追い込まれました」(スポーツ紙記者)
韓国内では、「平昌五輪は日本と共同開催しよう。代わりに2020年東京五輪も共催だ」という、おそろしく身勝手なことを言いだす向きが現われ始めた。
■友好のために必要なのは?
こうして並べてみても、ドリフのコントのようなドタバタぶり。馬鹿にするわけではないが、日本との国民性の違いは一目瞭然だ。その日本をあらゆる面で恨み、批判し、謝罪や賠償を要求しながら、いざとなると<スワップ>だ<共催>だと頼りにしてくる(注3)のも不可解。発想と行動の根幹に、<日本>が常にあるお国柄なのだろう。その点は日本が韓国に謝罪しようがヘイトしようが、未来永劫に変わらないと思える。
近くなるほど憎悪と依存を増大させる隣人と上手く付き合うには、距離を取るしかない。日韓関係は冷め、遠ざかった時に初めて冷静な関係性を模索できるはずなのだ。
幸い韓国の昨年の対日輸出額は前年比20.5%減の255億ドル。輸出総額の5%を切り、50年前の国交正常化以降、最低の割合となった。さらに昨年、韓国を訪れた日本人も前年比19.4%減の183万人で、ピーク時の半分に(注4)。日本は着実に<韓国離れ>を示している。
しかし反対に韓国から日本を訪れた韓国人は、前年比45.3%増の400万人と過去最多。このままでは通貨スワップが再開され、平昌五輪も共催に持ち込まれてしまう。逃げろ、逃げろ、日韓友好のために!
(注1)自販機…「自販」が韓国語でJAPANと発音が似てることからのギャグ。

(注2) 経済危機…中国依存が仇に。

(注3) 頼りにしてくる…「(日本が)助けて当然」という感覚があるようだ。 

(注4)ピーク時…2012年の351万人。

日本列島も朝鮮の領土

日本列島も朝鮮の領土 史上最凶ウリジナルの理屈
NEWS ポストセブン 2月6日(土)7時0分配信

 

 日本列島も朝鮮の領土 史上最凶ウリジナルの理屈

日本の相撲も韓国起源と主張(韓国シルム連盟HPより)

他国の文化を何でも「わが国発祥」にしてしまう韓国の“ウリジナル”(韓国語の「ウリ=我々」をもじった造語)。日本の歌舞伎や相撲、寿司、桜のソメイヨシノまで「韓国起源」と言って憚らない彼らが、ついに「日本列島は古代朝鮮の領土だった」と言い始めた。
今年1月7日、韓国ネットメディアの『共感ニュース』に「日本人は高句麗語で数を数える」という見出しの記事が掲載された。記事は、戦前の日本人学者による研究を引き合いに、日本の数詞「3(みっつ)、5(いつつ)、7(ななつ)、10(とお)」が、古代高句麗語の「3(ミル)、5(ウジャ)、7(ナヌン)、10(トォク)」と同語源だとした。
また、「5000を超える韓国語と日本語の語彙は語源が同じ」「平安時代の日本人1059姓のうち、324姓が韓半島からの渡来人のものだった」とする日韓の比較言語学者チームの研究を紹介し、「渡来人の言語が日本語の母体となり、日本の古代文化を作った」と結論付けた。
この学者チームは、韓国の大学で教鞭をとる日本人教授をリーダーとし、過去にも複数の媒体で同様の説を唱えてきた。たとえば、日本語の「車」は韓国語の「クルダ(転がる)」と「マル(馬)」の合成語、また「並ぶ」は「ナラニハダ(並ぶ)」から転じた言葉だという。
確かに、日本は言語的・文化的に朝鮮半島の影響を受けていることは間違いない。しかし、そこから突然論理が飛躍する。「言語が同じだから、もともと日本は朝鮮の領土だった」というのだ。
2007年、この日本人教授が韓国誌『週刊京郷』に寄稿。「日本列島は古代高句麗領土」という見出しで教授の説が掲載され、韓国人ネチズン(ネットユーザー)のナショナリズムに火をつけた。以下は、韓国の掲示板サイトなどに掲載されたネチズンの声だ。
「日本はもともと韓人が渡って作った国」

「百済人が海を渡り、猿どもを捕まえて作った国が日本」

「韓国人が(日本人に)贈ったプレゼントは日本語だった」

「ということは、俺たちが先祖だと知りながら天皇は戦争を起こしたのか?」
無論、日本人教授の主張はただの仮説に過ぎないが、韓国メディアは現在も「古代日本は朝鮮の領土説」を裏付ける根拠として“利用”し続けている。本誌はこの日本人教授に取材を申し込んだが、締切日までに回答は得られなかった。
※SAPIO2016年3月号
【関連記事】

日本語は英語の原型を話す集団が日本にたどりついてできた

韓国人学生 日本人学生を「ありがたいくらい馬鹿」と評す

日本と中国・韓国・ロシア 領土問題の真実をひもといた本

一部の韓国人 イギリス人もキリストも韓国が起源と主張する

中国が「北朝鮮は自国領」と伏線張っていると櫻井よしこ氏

最終更新:2月6日(土)7時0分NEWS ポストセブン

 

【中央時評】慰安婦問題、もう一度始めよう

【中央時評】慰安婦問題、もう一度始めよう

2016年01月02日13時43分 

[ⓒ 中央日報/中央日報日本語版]

  光復(解放)70周年、韓日協定50周年を迎えた昨年末に妥結した慰安婦問題に対する韓日両政府の「最終解決」宣言は、我々を深い人間的当惑感と恥ずかしさに追い込む。この時代の人間と世界市民に慰安婦問題は国家の国家性と人間の人間性を最も痛烈に問う問題であるからだ。それは最も道徳的であり、最も普遍的な人権問題、人間問題で、決して韓日間の民族主義問題ではない。人類に加えた全体主義の戦争犯罪と性暴力に対して世界がどういう姿勢で接近するかを問う世界の問題だ。全体主義の戦争犯罪が「国家間の」最終的かつ不可逆的な解決宣言で終息するのなら、法的な時効もない「反人道犯罪」と「反平和犯罪」に対して人類はどのように向き合うのか。 
  国家間の攻防を越えて落ち着いて問うてみよう。その間、何が究明され、解決されたのか。まず、真相究明だ。韓日両政府や国際機構による共同真相調査と報告はあったのか。2つ目、国際法的・人道的戦争犯罪の公式認定と謝罪があったのか。3つ目、補償と賠償はあったのか。4つ目、人類がともに記憶する追悼施設は建設したのか。5つ目、再発防止の約束はあったのか。 
  まだ真相究明もされていない状態で、当事者でもない第3者が最終解決をいうのは実に深刻な問題を引き起こす。特に寛容に関する理論が話すように、被害者が容赦と和解をいう以前に加害者がまずそれをいうのは2次加害だ。追悼のための民間自律の場所まで政府間の合意を通じて撤去して移動できるという傲慢は2次加害の絶頂だ。 
  被害者の同意のない加害者による終結宣言はあってはならない。大統領が強調した「被害者と国民が納得する水準」をいう。しかし合意以前に被害者との最小限の対話さえもなかった。青瓦台(チョンワデ、大統領府)・政府・官僚・与党が被害者の納得を熟考していれば、こういう一方通行はなかったはずだ。軽蔑はいつも自分から始まる。自らを軽べつする以前に人間は誰からも先に軽蔑されない。特に国家は決して国民を先に軽蔑されるようにしてはいけない。大韓民国の憲法はいう。「国家は個人が持つ不可侵の基本的人権を保障する義務を持つ」。しかし国家の国民軽蔑により、葛藤の一つの軸が韓国社会内部に移ってくる状況を迎えてしまった。 
  さらに「被害者が納得しなかった」約束のために、今後は「加害-被害」葛藤戦線に約束違反攻防が加わる。この問題は当然、加害国がさらに攻勢的になる。民間社会の国際機構への呼び掛けと慰安婦人権運動さえも合意違反だと攻撃を受けることになるだろう。戦争犯罪と人権に対する国際法と国際合意の歴史で加害者が被害者を脅かすことになる初めてのこの逆転状況は、被害国家の同意の下で招かれた。ニーチェの言葉を借りれば、これは病気の者が健康な者を病気にさせる「転倒した世界」だ。しかし「そうさせてはならない」というのが「間違いなく地球上で我々の最上の関心事でなければならない」。 
  大統領が述べた「時間的緊急性と現実的環境」が何か理解することはできないが、建国過程の反共と親日の交換という二重基準は再現されないことを希望する。5.24措置の解除、金剛山(クムガンサン)観光の再開、過去の謝罪、セウォル号真相究明に対し、政府は非常に非妥協的だ。しかし慰安婦問題は大乗的だ。慰安婦「人権問題」を越えた韓日米「軍事協力」はこれから加速化するだろう。建国の過程で親日を伏せようと反共を前面に出し、反共のために親日を包容した誤謬が繰り返されないことを望む。政府は、同じく全体主義の産物である「慰安婦人権」は経済支援でも消し、「北朝鮮人権」は経済問題でなく体制問題という二分法はやめるべきだ。慰安婦人権問題は韓日協力のために犠牲にならなければならないが、北朝鮮人権問題は南北協力が必要でも譲歩してはならないという二重の基準もやめることを願う。 
  今回の合意は、大統領が設定した最後のライン「被害者と国民の納得」がなかったため無効だ。政府は交渉過程を透明に公開し、国会は国政調査を実施しなければいけない。その後に韓日両国は最終的かつ不可逆的解決のための共同真相調査に直ちに着手しなければならない。そこからまた始めよう。 
  世界の良心ある人々が慰安婦被害者に感謝した理由は、埋もれていた人類の集団犯罪が、その方たちの敢然たる自己犠牲的勇気によって光を受けたからだ。その崇高な決断をこのように縫合し、本質的な人間倫理問題を提起し続ける被害者と世界市民を最終解決した問題を再び提起する偏狭な人間にしてしまった我々が非常に恥ずかしい。 
  パク・ミョンリム延世大教授・政治学 
  ◆外部執筆者のコラムは中央日報の編集方向と異なる場合があります。

韓国に劣る法制度を持つ日本が問う韓国の法治主義

韓国に劣る法制度を持つ日本が問う韓国の法治主義

日本で開かれた韓日両国の記者たちの討論会に行ってきた。毎日新聞・朝日新聞・読売新聞といった日本の主要新聞社の論説委員らと対話する場だったということで、日本の報道関係者たちの考えを探るいい機会だったと言えるだろう。

 韓国に対する日本人の反感や不信感が、韓国人が思っているよりも深刻だということは十分分かっていたはずだった。この日も「ちょっと暮らし向きが良くなったからって…」とでも言いたそうな、原初的な感情がにじみ出た言葉が少なからずあった。先日、ある日本の新聞の社説に出た「(日本が韓国に対して数十年間にわたり費やしてきたことが)徒労に終わった感じ」という表現は、この討論会の日本側代表の発言にもそのまま登場した。もう一つ、聞き流せない言葉があった。「韓国は本当に法治主義国家なのか?」というものだ。こうした直接的な表現を使った人物は1人だったが、発言の趣旨から考えれば多くの発言者が同じ内容のことを言った。

 日本といえば「解釈の見直し」という理解しがたいやり方で憲法の内容まで変えてしまった国だ。だからといって法治主義ではないとは言えないが、制度そのものだけを見れば韓国よりも抜け穴や粗が多い。だから、その質問が自己矛盾であることは明らかだ。それでも日本人記者たちはこの質問を真顔で韓国側に突き付けてきた。

 今年3月、日本の外務省がホームページ上から韓国について「基本的価値を共有する」という部分を削除した。日本政府は当時、「定期的にホームページを更新する過程で起こった一時的な出来事」と言った。ところが、これがいつの間にか公式の見解として既成事実化され、そうかと思ったら今では報道関係者たちまでがそれを突き付け、問いただす段階に至ったのだ。政権が変われば日本政府の見解も変わる可能性はあるが、報道関係者たちが韓国のことをそのように考えているというなら、それは次元が違う問題だ。日本社会の普遍的情緒が既にそうなっているという証になるからだ。

 日本の報道関係者らが問題視した点はいくつかある。彼らは強制徴用者の個人請求権に関して、韓国政府の公式見解と大法院(最高裁判所に相当)の判決が違うことに対し、「国家間の協定よりも判決を優先させる『司法独走』ではないか」と言った。産経新聞前支局長に対する検察の捜査・起訴問題については、産経の記者だけでなくほぼ全員が口をそろえて「韓国は言論の自由に問題があるのではないか」と言った。産経の記事そのものについては悪意があるだけでなく、レベル的にも不十分だと認めたが、だからといって権力が影響を及ぼし、法廷に持ち込むのは理解しがたいということだった。

 彼らは真剣だった。相手が真剣なら、向かい合って座っている側も真剣にならなければいけない。韓国側参加者は三権分立などいくつかの観点から説明あるいは抗弁することはした。しかし、話はずっと空回りし、お互い「壁を見ながら話をして別れた」という印象すらした。国交正常化50年というこの年に、両国関係の改善を模索しようという趣旨で開かれた討論会がほぼすべてこうした調子で力なく終わった。

 国交正常化後、日本が韓国に問いただすという姿勢を見せ出したのは今が初めてだ。それほど経済的にも国際政治的にも対等になっているという証拠だろう。1人当たりの国内総生産(GDP)が1対1になる日も遠くない。逆説的に言えば、「韓日関係のニューノーマル」は非常に感情的・戦闘的な様相になる可能性が高いということを意味する。韓日関係にアプローチする考え方の枠組みそのものを全面的に見直すべき段階に入っている。

辛貞録(シン・ジョンロク)論説委員

韓国が小中高生向けに作成した慰安婦教材 史実歪曲した内容

韓国が小中高生向けに作成した慰安婦教材 史実歪曲した内容
2015.11.01 07:00

 11月頭に、安倍晋三首相と韓国・朴槿恵大統領の初の首脳会談が開催される。冷えきった両国関係の雪解けかと思いきや、慰安婦問題に執着する韓国側から先制攻撃の反日政策が発表された。

 韓国は小中学生、高校生を対象に慰安婦問題の専用教材を作成し、来年度から教育現場で使用することを決めた。教材のタイトルはいずれも『日本軍“慰安婦”を正しく知る』(写真)だが、中身は韓国に都合のいい解釈で作られている。

 この慰安婦教材を見てみると、慰安婦は「多くは数十万人」いて、「日本軍によって強制動員」され、「性奴隷的な生活を強要」された女性と定義し、日本は謝罪も賠償もしていないと糾弾している。

 さらに教材の中では、いたるところに「強制」「強要」「性奴隷」の過激な文字が躍り、証拠のない話や、史実を歪曲した内容がちりばめられている。慰安婦問題に詳しい麗澤大学の八木秀次教授は教材の意図をこう分析する。

「これは韓国政府の“本気”を示したものといえる。韓国の学校では、日韓は戦争をしていないにもかかわらず『独立戦争によって日本から独立した』と教え、みなそう信じている。それと同じ刷り込み教育をこれから慰安婦問題でもやるということでしょう」

 嘘も100回唱えれば事実になる。日本政府は放置せず、事実と異なる記述には反論すべきである。

※週刊ポスト2015年11月6日号